ペアガラスは断熱性や防音性に優れており、近年の住宅では標準仕様として採用されることも増えてきました。しかし、何らかの理由で破損や、内部に結露が発生した場合には、修理または交換が必要になります。この記事では、ペアガラスの修理にかかる費用や相場について解説します。
前提として、ペアガラスは1枚のガラスではなく、2枚のガラスの間に中空層(空気やガス)が設けられた構造になっています。そのため、単板ガラスに比べて構造が複雑であり、ガラス1枚だけを取り替えることはできません。基本的にはユニットごとに交換する必要があるため、費用もやや高めになる傾向があります。
修理費用の相場は、ガラスのサイズや種類、施工内容によって変動しますが、一般的な目安としては以下の通りです。例えば、窓1枚分(約90cm×90cm)のペアガラスを修理・交換する場合、材料費と工賃を含めて3万円〜6万円程度が相場となっています。Low-Eガラスなどの高性能タイプになると、7万円〜10万円程度になることもあります。
また、サッシの種類によっても費用は異なります。アルミサッシであれば比較的安価で対応できますが、木製や樹脂サッシになると、取り扱いや工事の難易度が上がる分、追加費用が発生するケースもあります。
よくある質問として、「ペアガラスの内部が曇ってきたけれど修理できるか?」というものがあります。これは中空層の気密性が失われている状態であり、内部清掃では解決しません。この場合もユニットごとの交換対応が基本になります。
費用を抑えたい場合は、火災保険や住宅総合保険が適用できるかどうかも確認しましょう。台風や突風、飛来物などの自然災害が原因でガラスが割れた場合は、保険の対象となるケースもあります。実際、保険を活用して自己負担ゼロでペアガラスを交換した事例もあります。
なお、業者によって見積もり金額に差があるため、2〜3社から相見積もりを取ることをおすすめします。中には、出張費や処分費が別途かかる業者もあるため、事前に費用の内訳を明確にしてもらうと安心です。
本コラムでは、ペアガラスの修理費用の相場を解説しました。構造の特性上やや高めで、サイズや仕様によって3万円〜10万円程度が相場ですが、保険適用の可能性もあります。事前に相見積もりを取り、内訳や条件を確認することが納得のいく対応につながります。快適な住環境を維持するためにも、早めの対応を心がけましょう。